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腰椎ヘルニアの手術後、、、シビレが治らない問題

なぜ、手術したのにシビレがひどくなったのか?

紹介でいらした40代男性・Kさん、2023年9月に腰椎4~5番間のヘルニア切除の手術を受けたが、両足のシビレ、右脚(ハムストリング~ふくらはぎ)のシビレが取れず悩んでいた。当センターの患者さんでもありたくさんの方をご紹介いただいている50代女性・Kさんから「お客さんの知り合いを助けてほしい!」と連絡があった。手術をすれば治ると思っていたが、術後3ヶ月経過するも一向に治らず、メンタルもやられ、悩んでいました。
もともとヘルニア持ちであり、腰痛には悩んでいた。リハビリで整骨院へ通うも、強いマッサージを受けた後、症状が悪化し病院へ駆け込み診断を受けると、腰椎4~5番間のヘルニアであると。手術前は、脚に力が入らない、力が抜ける、、、という症状だった。術後のは、力が入るようになり、回復の兆しが見えたのだが、、、両足のシビレが強くなり、右脚(ハムストリング~ふくらはぎ)のシビレが出てきたとのこと。シビレの感じ方はジンジンするとのこと。

検査をしてみると、ヘルニア手術をした部位と、今回の症状が合致しない。手術により別の問題が起きたのか? はたまたもともと別な部位に問題を抱えており、ヘルニア手術後、椎間板が変化したことで別な部位に負担がかかり変位してしまったのか、、、ヘルニアの手術ではよくあることだ。

また、あってはならないことだが、強いマッサージを受けた後悪化することは良くある。力の入れ具合、方向などで背骨・骨盤がズレたり、筋肉が強く緊張を起こしたことで、神経や血管が圧迫されたりすると症状は悪化します。いまだにこのようなことをする無知な整骨院があることに驚きます。絶対に行ってはならない治療院のひとつです。患者さん自身もしっかり知識を身に付けてほしいと思います。

背骨や骨盤のズレから発症する様々な症状は、神経の圧迫が原因であると推測できます。神経と背骨、骨盤との関係はこちらの映像をご視聴ください。当センターでは必ず初診時には観て頂いている映像です。

施術法とその経過

初日(1回目)の施術

KさんのMRI画像を観ますと、腰椎4~5番間の椎間板よりも、腰椎5番~仙骨間の椎間板の方が狭く薄くなっていました。手術後姿勢を観察しますと、極端な平背姿勢。首(頸椎)から腰(腰椎)、仙骨までS字カーブが消失してしまっており、腰(腰椎)は後弯していました。S字カーブがないことで、上体の荷重が直接、腰椎部や仙骨に加わってしまうタイプの姿勢です。最もヘルニアを起こしやすい背骨のタイプであると言えます。(私の20代の頃の背骨はそうでしたが、、、)脚の筋力検査をしてみますと、ほとんどの筋力において問題なく力が入るようでした。手術によって力が入るようになったことは事実である一方、両足のシビレと、今回のヘルニアはまったく別物である可能性が高いです。それが腰椎5~仙骨間の椎間板の問題だと推測します。ここの椎間板が狭いことで、神経が圧迫され、血流問題が起きているのではと。

手術したのに症状が強くなったり、別な症状が発症したりと、、、このようなことは良くあることです本来の原因は、ヘルニアの部位ではなく、腰椎4~5番間にヘルニアを起こしてしまうような要因が、別な部位の変位によるケースがあるのです。それが今回のケースだと、腰椎5番~仙骨部の椎間板の狭さ、ここで起きているサブラクセーション(背骨のズレ・歪み)が本来の原因では?と。

ただ、この部位だけでなく、両仙腸関節の動きもほとんどなく、後下方へズレていました。仙骨1~3番までの靭帯の硬直も強くガチガチの状態でした。これは、坐骨神経痛を起こすような神経伝達の悪さに繋がります。また、首(頸椎)の前弯も消失しており、頸椎1番(アトラス)のズレの大きなズレもありました。腰椎5番の悪さと、頸椎1番(アトラス)の悪さは、背骨の構造力学上、特に多いケースの一つです。

2回目(2日後)の施術

良くなってる感覚はない。変化は感じない。ただ、腰の動きや姿勢は明らかに良くなっているようでした。手術により筋肉や皮膚組織を切っているので、軟部組織の癒着があるとそこの動きが悪くなり、また血流や神経を圧迫している可能性もあります。関節のズレだけでなく、その筋肉などの軟部組織へのアプローチも必要になってきます。皮膚の感覚の検査をしますと、左右足の感じ方に違いがあり、鈍かったりびりびり感じやすかったりと差が大きかった。Kさん本人は冷え症であるとおっしゃっておりましたが、足の皮膚からの温度を観察しますと冷たいという感覚はない。明らかに冷え性であるという方は、足の皮膚の感覚も冷たい。皮膚が温かいということは感覚神経がおかしいということになる。神経の流れがどこかで遮断され、その信号が送られていないと考えられます。つまり、神経の流れが回復すると、冷えは感じなくでしょう。

腰椎(腰の骨、腰椎1~5番まで5つある)の動きはかなり出ていましたが、骨盤と背骨の捻れが大きく、右の腰~右の肩甲骨付近の筋肉が盛り上がっており、右側の広背筋や腰方形筋の緊張が強いことを示しています。また仙骨部(仙椎1~3番)の靭帯が硬く、仙腸関節の動きを悪くしていました。脚のシビレや痛みが強い場合、この仙骨部(仙椎1~3番)のガチガチ感が関与しているケースが多々あります。腰椎(腰の骨、腰椎1~5番まで5つある)に問題がない場合、最も治さなければならない部位は仙骨部(仙椎1~3番)になると判断しました。

仙骨部(仙椎1~3番)、仙腸関節の矯正をメインに行い、矯正後は歩行していただき、歩き方の確認と、矯正した状態で神経の信号を脳に送ることで、正しい状態をアップデートさせ、治癒力を回復させる狙いがあります。

2回目の施術前に、ひとつ肝心なことが問診で分かりました。Kさんが10代の頃、バイクの事故で転倒し、左脚・スネ(脛骨)を骨折し、プレートが入っていることが判明しました。

3回目(4日後)の施術

シビレの感覚がだいぶ良い感じがするがやっぱりシビレはある。右腿裏(右ハムストリング)のシビレから皮膚の感覚がおかしい感じに変わった。足の冷たさが以前とは違く、温かい感じがする。ただ感覚は皮膚一枚ある感じ?がする。皮膚の感覚が異常な時に、よく表現されるのが皮膚がもう一枚ある感じがある、、、です。脚の筋力検査をしますと、、、①足首を曲げる・屈曲する、②膝を曲げる ともに筋力が強く、運動神経には問題なかった。

ただ、右足の甲の皮膚感覚異常がありました。母指側の甲は特に左右の違いがありませんでしたが、人指・中指(人差し指・中指側)には、左脚に比べ、鈍い感覚があるとのこと。これは、L5神経根(腰椎5番~仙骨からでる神経、L4~5番椎間板の影響を受けやすい)及び、S1神経根(仙骨孔から出る神経、L5~S1椎間板の影響を受けやすい)の異常だと推測できます。

前回施術同様、仙骨部(仙椎1~3番)及び仙腸関節部が硬く、この部位がメインで治さなければならない部位です。腰の骨(手術部位の腰椎L4~5番間)にはあまり問題がなさそうだ。若干のズレやズレやすい傾向にはなるが、施術後(矯正する)には可動域が大きくなり正常に戻ります。ただ、椎間板の切除を行っている場合、そこの椎間板は正常の弾力性や水分の保水力などが低下しており、手術前の状態には戻らない。いわゆるクッション性が低下しているので、捻れや圧迫には非常に弱い状態にあります。使い古したスポンジが削れた状態だと想像してもらえば分かりやすいかと思います。

4回目(4日後)の施術

歩くと足の裏にシビレ感が出るが、以前よりラクな感じがする。足の冷たさもだいぶ違う感じがする。足裏への刺激が気になるのか、歩き方は慎重です。仙腸関節部は動くようになってきましたが、仙骨部(仙堆1~3番)の硬さはまだまだ残っています。ここの強靭な靭帯がかなり硬直を起こしており、坐骨神経への影響が残っていると思われます。

2回目の来院時の問診で判明した、若い頃の右脚(脛骨)の骨折、、、バイクで転倒して骨折しプレートで補強したままであるとのこと。足首の背屈(足首を曲げる)の可動域制限が診られました。おそらくこの頃から歩き方や姿勢の変化が起きはじめ、十数年という長期間かけて、腰椎のヘルニアを起こしたものであるとも考えられます。Kさんの姿勢分析でも、極端に左脚荷重になっており、骨折した右脚をかばうことで、体重を左側へ移してしまうクセが長年にわたり定着してしまったと推測出来ます。

古傷を治す必要があるため、右足首や脛骨・腓骨、足の関節など下肢の調整も行いました。ここを治すことで、正常な立ち方、歩き方に近づけ、姿勢のクセを改善する必要があるためです。

7回目(10日後)の施術

週2回のペースで来院。右腿裏(ハムストリング)から足の裏にかけての感覚の鈍さがあるが、シビレ感はだいぶラクな感じがする。なくなってはいないが、今はシビレ感より感覚の鈍さが気になる。皮一枚ある感じで、歩くと足裏が変な感じがする。右足の甲の感覚(知覚)では、小指側だけが少し鈍い反応が残っている。上記の右足の感覚異常の図では、②S1神経根の障害が少し残っているようだ。ただ治療開始から20日経過し、回復過程も順調だと言える。歩き方も治療開始時は、ゆっくりでシビレを抑える感じの歩き方だが、今は普通に歩けている。距離を歩いても、痛みやシビレが強くなり歩けなくなるようなことはない。神経的な問題はなくなってきていると言える。Kさんのシビレは血流の問題が強いのだろうと推測します。
整形外科学検査では、運動神経にはほとんど問題なく、筋力が出ている。アキレス腱反射と内側ハムストリング腱反射が鈍いのと、右足の小指側(S1神経根:L5~S1間の椎間板の影響が大きい)の皮膚感覚(知覚)が鈍いのが少しある。今後も仙骨中心の治療が必要でしょう。

最後に

2024年1月初旬現在、8回目の施術が終わり、症状は日に日に良くなっている。シビレ感覚が少し残っているのと、皮膚の感覚が少し鈍いのが残っていますが、神経組織の回復が進めばだいぶ落ち着いてくるでしょう。今までの経験ですと、あと1~2ヶ月治療を続ければ、シビレや皮膚感覚の異常は正常に戻るでしょう。2~3ヶ月経過すれば多くの組織(筋肉や関節、神経、靭帯など)が回復し、通常通りの生活には戻れるでしょう。

オプティマルヘルスセンターは只今(2024年1月現在)、時間帯によっては数日後でも予約枠が空いております。オプティマルヘルスセンターは基本紹介制の施術院ですが、どうしても近隣に治療院がない、どこ行っても良くならないという方は、下記の予約専用LINE(友だち追加)を登録し、その旨お伝えください。誠心誠意、対応させていただきます。

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